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2018/02/14

公衆災害防止要綱 25年ぶり見直しへ

 国土交通省は、建設工事に伴う公衆災害を防止する計画・設計・施工の技術基準である「建設工事公衆災害防止対策要綱」の見直しに向けた検討会を発足させ、2月13日に初会合を開いた。要綱策定後の制度改正や施工技術の進展を踏まえ、有識者の意見を聞きつつ、25年ぶりに要綱を見直す。国交省は初会合で、公衆災害の発生頻度が高い建機の転倒や解体工事に関する記述を充実させたり、建設現場で活用が広がるドローンの落下防止対策などを追加する考えを示した。
 要綱(建築編・土木編)は、工事関係者以外の第三者に被害が及ぶ公衆災害を防止する技術基準として1993年に策定され、旧建設省の事務次官名で地方自治体、JR各社、NTT、建設業団体などにも通達されている。直轄工事では、現在も受発注者間の契約事項として共通仕様書に位置付けられている。
 国交省の集計によると、過去10年で発生した公衆災害(公共工事のみ)は、土木2225件、建築126件で、死傷災害がこのうち1割程度を占めている。物損災害は▽埋設物の損傷▽重機の接触・転倒▽架空線の損傷―の順に多く、死傷災害は段差によるものが大半を占める。
 要綱の見直しにより、公衆災害の発生状況、労働安全衛生法令をはじめとする制度改正、ICT導入などの施工技術の変化などに対応する。災害の発生頻度が高い建機の転倒事故、解体工事中の事故防止措置に対する記述を充実させる他、地下での掘削工事中の措置も明確にする。
 地下埋設物を損傷させる物損災害に対しては、道路面を車両で走行しながら埋設物の3次元位置を探査する埋設物探査技術などを活用。バリアフリー法の施行を踏まえた高齢者・障害者の視点や、建機をレンタルした場合の留意事項も追加する。公衆災害防止に設計者が果たす役割も明示する。

提供:建通新聞社