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中央ニュース

2019/02/18

土地基本法見直しで方向性

 国土交通省の国土審議会土地政策分科会特別部会は2月15日、所有者不明土地の発生抑制と解消に向けた、土地基本法の見直しの方向性をまとめた。土地の適切な利用・管理の確保を求める理念を明確化する。その上で、所有者とそれ以外の関係者の役割分担を整理。管理不全で悪影響の大きな土地については、地方公共団体が取得・管理など対処することを盛り込んだ。
 土地基本法は、土地についての基本理念を定めたもの。バブル期の地価高騰を受け、投機的取引の抑制を主眼に制定されたため、土地を積極的に利用する場面を除いては、規律が明確でなかった。
 一方で、近年は人口減少に伴って土地利用のニーズが減少。草木の繁茂や境界の不明確化といった管理不全の土地が増えている。これに対し、土地の所有者以外が対策を取ろうとしても、強制力がなく制度上の負担が大きいという課題があった。
 特別部会は今回、土地について「公共の福祉の観点から、土地の条件に応じて適切に利用・管理されなければならない」とする基本理念を打ち出した。その上で、法に基づき土地所有権には制約が伴うことを明確化。
 土地を巡る関係者の役割分担としては、所有者に適切な利用・管理を確保する第一次的な責務があることを確認。近隣住民も、必要に応じて所有者の責務を補完する役割を担う。
 地方公共団体に対しては、所有者や近隣住民の取り組みに対する支援を求める。さらに、緊急性が高い場合には代執行などの形で直接対応する。必要に応じて土地の取得や、利用・管理に向けた計画の提示も行う。
 国には、地方公共団体の支援や関連制度の構築を求める。所有者や境界などの土地情報インフラを整備し、最終的な管理の受け皿機能を確保する。

提供:建通新聞社