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中央ニュース

2019/10/24

台風19号被害受け 全国で施工確保対策

 国土交通省は、台風19号の被災地で災害復旧が本格化することに備え、全国の直轄事業で入札不調・不落の発生を防止する施工確保対策を実施することを決めた。地方整備局などが発注する工事・業務が対象で、災害復旧に限らず、通常の工事・業務も含めた対策を講じる。入札参加者の提出する見積もりを活用し、市場の実勢価格を予定価格に反映。見積単価は入札前に公表する。実工期を柔軟に確保できる余裕期間は6カ月まで設定できるようにする。
 東日本を中心に甚大な被害が発生した台風19号だけでなく、8月の九州北部豪雨、台風15号などの災害が全国で頻発しており、施工確保対策で下半期に発注する直轄事業の円滑な事業執行を図る。10月21日、全ての地方整備局と北海道開発局に対し、災害復旧だけでなく、通常工事も含めて対策を講じるよう通知した。
 TEC−FORCEやリエゾンを通じ、被災地の地方自治体にも対策を実施するよう周知する。
 調達環境の厳しい工種や建設資材では、当初発注の段階で入札参加者から見積もりを提出してもらい、見積額の平均から予定価格を積算する。対象となる工種・資材は▽河川維持工(伐木除根工)▽砂防工(コンクリート工、鋼製砂防工、仮設備工など)▽電源設備工(発電設備設置工、無停電電源設備設置工)▽鋼矢板▽高力ボルト▽生コンクリート―など。
 見積もりを反映させた歩掛りや単価は入札参加者に周知する。
 柔軟な工期設定を可能にする余裕期間制度は、工期の40%・5カ月未満で設定できるとしていたが、6カ月を上限に設定できるようにした。余裕期間制度を原則として活用することで、配置した技術者を無用に長期間拘束しないようにする。
 設計変更に適切に対応することも求める。遠隔地から建設資材・労働者を確保する経費などを設計変更の対象として発注者が負担する。さらに、ブロック工の技能者が不足する地域では、間知ブロック張工を大型ブロック工に変更する場合も、設計変更の対象にする。
 検査時の書類は、工事品質に関係する資料に限定。通常の工事工程表など44書類から10種類程度に削減することも認める。

「総合評価 技術者実績の要件緩和」

 総合評価方式では、競争参加資格や技術力の評価で「技術者の能力等」の要件を緩和する。技術者の実績を評価せず、企業の実績のみの評価で落札者を決定することも認める。維持修繕工事など、調達環境が厳しい工事の受注者は、次回以降の総合評価で加点評価することも可能にする。

提供:建通新聞社