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中央ニュース

2020/03/03

映像データで監督・検査 遠隔臨場を試行

 国土交通省は、直轄工事の監督・検査にウエアラブルカメラなどを利用した遠隔臨場を試行することを決めた。監督職員らが現場を訪れることなく、リアルタイムで配信された映像データによる監督・検査を実施。受注者側も監督職員が立ち会う際に生じる調整や手待ちを削減する効果が期待できる。2020年度に発注者指定型で約100件を試行する方針だ。
 直轄工事の現場を活用した技術開発を後押しする「官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)」による支援などを受け、これまでも東北地方整備局や中部地方整備局で試行しており、試行後のアンケート調査でも受発注者の8割以上が監督・検査の効率化を実感できた。新型コロナウイルスの感染予防を図るため、3月2日に地方整備局に通知して前倒しで試行することを決めた。
 監督職員は、配筋やコンクリート打設などの工程ごとに現場におもむき、段階確認・材料確認・立ち会いが求められる。例えば、事務所からの移動時間が片道1時間の現場の立ち会いが施工期間中に20回あれば、移動時間だけで合計40時間が必要になる。受注者も、立ち会いのたびに監督職員と時間調整を行わなければならず、立ち会いに伴う作業の手待ちが生じる。
 遠隔臨場を導入すると、監督職員は事務所にいたままで受注者が配信した映像を見て、指定材料の確認や寸法確認を行うため、移動時間や手待ち時間などを省略できる。遠隔臨場の記録データも保存し、臨場後に再確認できるようにする。完成した構造物を確認し、工事成績評定なども行う竣工検査は対象から除外する。
 発注者指定型で遠隔臨場を実施する場合、費用は受発注者が折半する。受注者希望型の場合は、受注者側で費用を全額負担する。