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中央ニュース

2020/10/26

今後の雇用政策 非対面の働き方に対応

 厚生労働省は10月23日、雇用政策研究会を開催し、新型コロナウイルス感染症による社会経済環境の激変を踏まえた今後の労働政策について議論を始めた。テレワークに代表される「新しい働き方」の浸透を不可逆的な変化と見なし、制度面で必要となる対応を検討。人手不足の産業分野への労働者の移転も課題に挙げた。新型感染症の将来的な収束も見据え、労働政策の方向性を2020年内をめどにまとめる。
 雇用政策研究会は19年7月に、人口減少をはじめとした社会構造の変化を踏まえて労働政策の方向性を報告書にまとめた。新型感染症により報告書の前提が大きく変わったため、改めて研究会を開き、修正点を検討することにした。
 23日の会合では、厚労省が今後の雇用政策を考えるための論点を提示。新型感染症がもたらした不可逆的な変化として、テレワークやウェブ会議など、IT技術の活用による非対面・非接触の生活様式の急拡大を挙げた。
 その上で、こうした新たな働き方に対応する際の課題として、▽人事・能力評価制度▽労働時間管理▽安全衛生などの雇用・労務管理―を示した。
 検討では、業種や職種、雇用形態に応じてテレワークの実施状況が異なることにも配慮する。中小企業や、比較的高齢な労働者など、IT活用が十分でない層への支援も課題としていく。
 労働市場の動揺についても対応策を議論した。非対面・非接触での求職活動や採用活動など、感染防止を重視した求人への需要が高まっている現状を踏まえ、ハローワークでの求人マッチング支援のデジタル化、オンライン相談の導入などを検討課題とした。
 このほか、産業別の新規求人数の動向についても報告。8月時点の求人は多くの業種で前年比マイナスとなったが、建設業は前月よりも減少幅が縮小。21年度の新卒者採用においても建設業は前年度比8・9%増を計画しており、全産業で唯一、プラスを見込んでいる。
 こうした現状なども踏まえ、人手不足分野への労働者の移動についても検討課題とした。能力開発を伴う円滑な業種・職種の転換について、特に女性・若者を中心に検討する必要があるとした。

提供:建通新聞社