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2020/12/02

国土強靱化5年延長 事業費15兆円で決着

 菅義偉首相は12月1日の閣僚懇談会で、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための新たな対策をまとめるよう、関係閣僚に指示した。対策は『防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(仮称)』とし、2021年度から25年度までの5カ年で、事業費15兆円を追加する。激甚化する風水害や巨大地震への対策の他、予防保全に向けた老朽化対策、デジタル化の推進が柱となる。
 加速化対策は、18年度にまとまった『防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策』の後継となるもの。
 緊急対策は18〜20年度の3カ年の事業費を約7兆円とし、「臨時・特別の措置」として予算を措置。政府の当初予算における公共事業費は、19年度に6兆9099億円、20年度に6兆8571億円と、対策前の18年度当初予算と比べるとそれぞれ15・6%増、14・7%増の規模に上乗せしていた。
 この緊急対策が20年度末で終了するため、与党、地方自治体、建設業団体などから継続を求める声が強まっていた。政府は、20年度も20年7月豪雨で甚大な被害が出るなど、気候変動で激甚化する自然災害への備えが引き続き必要だと判断し、計画期間を21〜25年度の5年間延長し、事業費15兆円を確保して対策を拡充・継続する。
 加速化対策には、これまでの激甚化する風水害や巨大地震への対策に加え、インフラの老朽化対策とデジタル化の推進を追加する。老朽化対策に必要な財源が足りず、インフラの修繕に手を付けられない自治体なども多く、財源を確保して予防保全型への転換を急ぐ。インフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)をはじめとするデジタル化にも予算を措置できるようにする。
 政府は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止や国土強靱化を柱とする追加経済対策の策定を進めており、加速化対策と合わせて12月上旬に閣議決定する。加速化対策の初年度の経費は20年度第3次補正予算案に措置する。

提供:建通新聞社