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2021/07/05

入札契約改善 支援事業者に建設技術研究所

 国土交通省は、地方自治体の入札契約制度改善に関わる取り組みを支援する「入札契約改善推進事業」で、支援先の奈良県葛城市に派遣する専門家(入札契約改善推進支援事業者)として、建設技術研究所(東京都中央区)を決定した。7〜9月に課題を洗い出し、2022年3月下旬までに同市での入札契約制度全般の見直し・改善案をまとめる。改善事例は全国他都市に水平展開する。
 葛城市では、予定価格・最低制限価格、指名業者を事前公表しているため、くじ引きでの落札決定が常態化。くじ引きの発生率は4割ほどになっているという。さらに、工事成績を入札参加者に適切に反映できていないといった課題がある他、平準化やダンピング対策で遅れがみられる。
 国交省が20年度に実施した入札契約適正化法に基づく実施状況調査によると、同市の平準化率は0・30ポイント。全国市区町村の平均(0・55ポイント)よりも低い。
 こうした入札契約制度をめぐる現状について、▽適正な予定価格の設定▽ダンピング対策▽総合評価・多様な入札契約方式▽施工に必要な工期の確保▽施工時期の平準化▽技能労働者の育成―の観点から課題の解決を図る。
 具体的には、統一フォーマットを作成するなどし、各対策の進み具合を見える化する。勉強会も設置し、改善策を検討する。
 国交省は、先行している岡山県での取り組みも含めて、「改善事例は支援先の自治体だけでなく、全国の都道府県、市町村の参考になる」と改善事例の波及を期待する。葛城市の人口は約4万人、技術職員数は約20人。同規模の市町村は全国に多数ある。
 担当者は「何がなんでも国のやり方でやるのではなく、地域の実情を踏まえた改善になればいい」と話す。
 岡山県ではダンピング対策を中心とした改善策を検討している。これまでに県内の全市町村が勉強会に参加することが決まっており、本年度内に複数回開催し、地域の実情に見合った改善案をまとめるとしている。
 自治体からの入札契約改善の相談は同省で随時受け付けている

提供:建通新聞社