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2022/08/26

国交省 公共事業費に6・2兆円を要求

 国土交通省は8月25日、一般会計の公共事業関係費に前年度比19・0%増の国費6兆2443億円を求める2023年度当初予算の概算要求を発表した。頻発・激甚化する自然災害に備え、事前防災対策や流域治水の本格的実践に取り組む他、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)や、技術革新につながるデジタルトランスフォーメーション(DX)にも重点投資する。事業費を示さず項目だけ記載する事項要求では、新たに資材価格高騰への対応で必要となる経費などを盛り込んだ。
 事項要求はこの他、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた地域交通ネットワーク再構築支援、整備新幹線の整備に追加で必要になる経費などを盛り込んだ。いずれも今後の予算編成過程で詳細を詰め、事業費を決定することになる。
 23年度予算の概算要求は、▽国民の安全・安心の確保▽社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大▽豊かで活力ある地方創りと分散型の国づくり―の三つの重点項目を設定し要求内容を固めた。
 重要政策推進枠を含む要求内容を見ると、昨年に全面施行した流域治水関連法を踏まえた「流域治水」の本格的実践に6710億円を盛り込んだ。中小河川を含めた洪水氾濫を防ぐための抜本的な治水対策や、浸水被害地域での再度災害防止対策、雨水貯留浸透施設の整備などに加え、水害リスクを踏まえた安全なまちづくりや水害リスク情報の充実を進める。
 災害時の物流・人流確保に向けては5503億円を要求し、高規格道路のミッシングリンク解消や4車線化など、ダブルネットワーク化による交通ネットワークの機能強化に取り組む。
 土砂災害対策には1236億円を求めた。砂防施設の整備強化や被災する可能性の高い住宅の安全性確保などハード・ソフト一体となった対策を進める。
 インフラの老朽化対策には8969億円を要求。予防保全への本格転換、新技術を活用した効率的なインフラメンテナンスの実施などを推進する。地方の老朽化対策や防災・減災を支援する防災・安全交付金には9677億円を求める。
 GX推進では、ZEH・ZEBの普及や木材活用、住宅・建築物の省エネ対策強化などに1303億円、港湾分野の脱炭素化となるカーボンニュートラルポートの形成に664億円を盛り込んだ。
 DX推進では、公共工事でのBIM/CIMの活用拡大、5Gを活用した無人化施工の現場実装、都市分野のデジタルインフラ「PLATEAU(プラトー)」の活用拡大、行政手続きのオンライン化などに取り組む。

提供:建通新聞社