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2022/10/07

一人親方本人にも調査 実態把握へ

国土交通省は、「適正でない一人親方の目安」を策定するため、一人親方の実態把握の取り組みを強化する考えだ。事業主を通して一人親方の就労状況を調べる間接的な方法に加え、一人親方に直接質問を投げ掛ける調査を行う。建設キャリアアップシステム(CCUS)処遇改善推進協議会の新たな重点課題に位置付け、2023年度以降に実施する。10月6日に推進協議会を開いた。
 国交省は、建設業で社会保険加入が進む一方、法定福利費の削減など労働関係法令からの規制逃れを目的とした、技能者の個人事業主化(いわゆる偽装請負としての一人親方化)が進んでいることを懸念。有識者を交えて対策を検討してきた。
 ことし4月には社会保険加入に関する下請け指導ガイドラインを改訂。一人親方の基本的な姿として、職長クラス(CCUSレベル3相当)の能力を有するなどの目安を示した。併せて、技能者の処遇改善・技能向上の観点から、経験不足の技能者が一人親方として扱われている場合など、「適正でない一人親方の目安」の策定も目指すとした。
 本年度は、事業主を通した調査を11月に実施。一人親方の社会保険の加入状況や賃金状況などを調べる。現場従事者の働き方が雇用労働者か請負契約のどちらに該当するかを判別できる「働き方自己診断チェックリスト」の活用状況も確かめる。
 建設業団体などへのアンケート調査では、実態が雇用労働者であるにもかかわらず、偽装請負の一人親方として従事している技能者が一定数いることが確認されている。
 今回の推進協議会ではこの他、▽CCUSの活用促進に向けた元請けによるカードリーダー設置など環境整備の強化▽CCUS現場管理機能の充実▽技能レベルを反映した手当支給の促進▽建設業退職金共済制度の電子申請方式とのCCUS連携―なども今後の重点課題=表参照=として共有した。
 冒頭、東京建設業協会、全国中小建設工事業団体連合会、全国ビルメンテナンス協会の3団体が新規加入したと報告があった。

提供:建通新聞社