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中央ニュース

2023/05/31

30年までに「半減」へ 熱中症による死亡者数

 政府は5月30日、熱中症による死亡者数を、2030年までに現状から半減させる目標を盛り込んだ新たな「熱中症対策実行計画」を閣議決定した。過去に例のないような危険な暑さに備える「熱中症警戒特別情報」を発表し、屋外での活動を抑制することを盛り込んだ。
 新たな実行計画は、4月に成立した改正気候変動適応法を踏まえたもの。改正法では熱中症対策を強化するため、環境省と気象庁による熱中症警戒情報の発表に法的な裏付けを与えた。さらに、これまでの想定を上回る暑さに対して特別警戒情報を発表できるようにした。
 実行計画では、国と自治体、事業者、国民それぞれが果たすべき役割を記載。国の役割としては、熱中症警戒情報・特別警戒情報に基づいて予防的な行動を国民に促す方策を検討する。建設分野に関連した政策では、ZEH・ZEBの普及拡大や断熱リフォームの推進、都市公園などの緑地の確保を挙げた。
 産業界に対しても協力を呼び掛け、職場熱中症を防ぐよう、暑さ指数(WBGT)計の活用を促進する。厚生労働省では、職場での熱中症対策に特化したポータルサイトを設け、予防対策に関する知識、現場ノウハウを共有する。
 特に建設業は、熱中症による死亡災害・死傷災害のいずれもが全業種中で最多という深刻な状態。熱中症対策の一層の徹底は急務となっている。

提供:建通新聞社