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中央ニュース

2023/08/14

道路の計画、建設段階から 脱炭素戦略

 国土交通省は、道路のカーボンニュートラルに向けた戦略の中間まとめ案を作成した。道路の計画・建設段階から、管理までライフサイクル全体で排出される二酸化炭素の削減を主要な施策の一つに位置付けた。エネルギー効率の良い道路線形を検討する他、施工に伴う排出量削減も推進。本年度内にロードマップを作成、公表する。
 道路のライフサイクル全体を対象に、二酸化炭素排出量を低減する点を取り込む。具体の方策では、長寿命化を進めることでインフラの更新頻度を減らすことや、道路計画・設計段階での検討、道路照明のLED化の推進などを打ち出した。施工段階では新たな建設機械や輸送手段の導入、プレキャスト化の積極活用、ICT施工の推進が有効だとした。道路の事業評価に当たっても、二酸化炭素排出量の削減を評価対象に位置付けることを検討する。道路緑化の推進や、二酸化炭素固定化コンクリート、中温化アスファルトなどの低炭素材料の開発・導入も進める。
 8月9日に開いた社会資本整備審議会道路分科会の部会で説明した。委員からは、より具体的な数値目標を設定することを求める意見が寄せられた。
 ライフサイクル全体での取り組みに加え、重点的な施策として、道路交通の円滑化を実施する。高規格道路の整備や4車線化など道路ネットワークの効率性向上、渋滞箇所での部分改良や迂回路整備、立体交差化によるボトルネック対策を推進する。路上工事の抑制期間を設置することによる渋滞の緩和、ICTを生かした交通需要マネジメントなどのソフト施策も取り入れる。
 低炭素な人流・物流への転換も重点施策の一つとした。公共交通の再構築や、自転車の通行環境の整備、2台のトラックを連結する物流形態の導入などが具体の施策となる。
 また、電動車の開発や、道路管理への再生可能エネルギーの活用など、道路交通の電動化も重点施策とした。

提供:建通新聞社