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中央ニュース

2023/08/24

河川のデータを標準化 位置情報で重ね合わせも

 国土交通省は、河川流域に関わる全てのデジタルデータについて、標準的なフォーマットを整備する。設計業務などで納品されるデータの形式や、備えるべき要素を定め、高度な活用を可能にする。マップ上で重ね合わせて表示したり、ICT施工・維持管理の高度化、自動化につなげる。
 従来、河川の構造物の設計成果や、浸水想定区域図などのデータは、ほとんどが位置情報を持っていない。
 このため、図面同士を重ね合わせて表示するなど、データ間の連携が困難だった。また、人工知能(AI)を活用した分析を行うにも、機械による読み込みが困難だった。
 そこで、2023年度に河川やダム、海岸、砂防などのデジタルデータについて、フォーマットの標準化ルールを整備する。24年度はルールに基づき、河川事務所で各種図面を標準化したデジタルデータで整備していく。その上で、データをインフラ分野のDXに生かすとしている。
 建設企業や建設コンサルタント企業にとっては、納品する成果物について、標準的なフォーマットが整備されることになる。位置情報を持たせることで、デジタル上のマップとして各種データを一元的に管理したり、重ね合わせて閲覧し、AIにより従来よりも高度な分析を行うことができるようにする。
 ドローンやロボットの自動巡視・点検で河川のデータを収集し、継続的にマップを更新するような体制を目指す。
 施工や維持管理の高度化、自動化につながることも期待される。受注者と発注者、双方の働き方改革にも生かしたい考えだ。

提供:建通新聞社