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2023/08/25

国交省 公共事業費に6・3兆円を要求 防衛体制強化経費は事項要求

 国土交通省は8月24日、一般会計の公共事業関係費に前年度比19・0%増の国費6兆2909億円を求める2024年度当初予算の概算要求を発表した。頻発・激甚化する自然災害から国民を守るため、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化の推進や流域治水の加速化、インフラの老朽化対策に取り組む他、インフラ分野のDX、脱炭素社会の実現に向けたGXへの投資も重点的に行う。事業費を示さず項目だけ記載する事項要求では新たに、防衛体制強化につながるインフラ整備で必要となる経費を盛り込んだ。
 24年度予算の概算要求では、▽国民の安全・安心の確保▽持続的な経済成長の実現▽個性を生かした地域づくりと分散型国づくり―の三つの重点項目を設定し要求内容を固めた。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」については、事項要求により、予算編成過程で検討することとした。
 重要政策推進枠を含む通常の概算要求では、あらゆる関係者で水害対策を推進する「流域治水」の加速化・強化に向けて、8002億円を要求。中小河川を含めた洪水氾濫を防ぐための抜本的な治水対策や、浸水被害地域での再度災害防止対策、雨水貯留浸透施設の整備に加え、気候変動の影響を踏まえた河川整備計画の見直し、浸水想定区域図の作成による水害リスク情報の充実に取り組む。
 災害時の物流・人流の確保には4968億円を要求し、復旧・復興のための高規格道路のミッシングリンク解消や4車線化、ダブルネットワーク化による交通ネットワークの機能強化などを進める。
 盛土の安全確保対策の推進にかかる事業費は防災・安全交付金の内数とし要求。都道府県などが実施する規制区域指定のための調査、対策工事の支援に取り組む。
 インフラの老朽化対策には9074億円を要求。広域的・戦略的なインフラマネジメントやインフラ長寿命化計画に基づく取り組みを推進する。予防保全への本格転換の加速化にも力を入れる。
 地方の老朽化対策や防災・減災を支援する防災・安全交付金には9943億円を求める。
 DX推進では、インフラ分野のDXアクションプランに基づく取り組みを進める。BIM/CIMの普及拡大に向けたデータマネジメント環境の構築、ドローンを活用した河川・ダムなどの巡視・点検の効率化、都市分野のデジタルインフラ「PLATEAU(プラトー)」の活用拡大、行政手続きのオンライン化などに取り組む。
 GXでは、ZEH・ZEBの普及や木材活用、住宅・建築物の省エネ対策強化などに1225億円、グリーンインフラの活用やまちづくりGXの推進に229億円、港湾分野の脱炭素化となるカーボンニュートラルポートの形成に111億円を盛り込んだ。
 事項要求には、資材価格の高騰を踏まえた公共事業の実施に必要な経費も盛り込んだ。いずれも今後の予算編成過程で詳細を詰め、事業費を決定する。

提供:建通新聞社