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2023/10/06

実習生から転籍の相談 監理団体の5割弱「あった」

 労働政策研究・研修機構が国内の技能実習生の監理団体を対象に調査したところ、実習先を変更する「転籍」の相談を受けたことがある団体が回答全体の44・8%と半数近くを占めていたことが分かった。技能実習制度・特定技能制度の見直しに向けて10月4日に開かれた政府の有識者会議で報告した。会議では転籍の導入が論点の一つとなっており、対応が注目される。
 アンケートは、4月時点で許可を受けている3626団体に実施。うち1095団体から回答を得た。
 転籍の相談を受けた後の対応は、「傘下の他の実習先に交渉」という回答が81・4%で最も多かった。その場合、転籍に1カ月以上かかった例が72・1%を占めた。また、転籍時に苦労した点としては、「実習生の希望にあった転籍先が見つからない」が59・0%で最も多かった。
 現行の技能実習制度では、転籍は原則として認められていない。この点について有識者会議では、技能実習生が働く場所を選べないことが、強制労働をはじめとした人権侵害につながっているとの指摘が出ていた。
 これを受け、4月にまとまった中間報告では、現在よりも転籍に対する制限を緩和する方向性を表明。その上で、認める際の要件や時期、回数などを考える必要があるとした。
 有識者会議は今秋にも制度見直しに向けた最終報告をまとめる。技能実習制度については人材の確保にも力点を置いた仕組みに見直すとともに、特定技能制度の入り口としてより明確に位置付ける方向性だ。

提供:建通新聞社