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2024/01/15

建設投資見通し 24年度は前年並み

 建設経済研究所は、2024年度の建設投資見通しをまとめた。24年度は名目値で、前年度比0・7%増の72兆4100億円とほぼ前年度並みで推移すると予測した。一方で、資材価格や人件費の上昇による、名目値と実質値のかい離は、資材価格の高騰が鈍化しつつあることや、転嫁対策の浸透具合を踏まえ、実質値が上向く形で落ち着いていくとした。
 24年度の建設投資は、政府(公共)・民間ともに23年度並みで推移する。公共投資は、国の24年度当初予算案で公共事業関係費が23年度と同規模となる約6兆円が計上されたこや、23年度補正予算で確保された5か年加速化対策の4年目分が24年度に出来高として実現されることを考慮。建築補修を除き、0・5%増の23兆7200億円になると推測した。国・地方いずれも、名目・実質ともに前年度と同水準で推移する。
 公共の建築補修には、2・3%増の2兆2600億円の投資を見込んだ。
 民間投資は、住宅・非住宅ともに微増と推測。住宅は0・2%増の17兆2100億円を見込んだ。着工戸数が減少するものの、省エネルギー化など住宅の高付加価値化や建設コストの上昇などもあり、名目で微増、実質で同水準になるとした。
 非住宅は、土木工事を含め、0・1%増の19兆0100億円と前年と同水準で推移するとした。着工床面積が16年度以降で最低水準になるものの、好調だった21〜22年度の着工床面積の出来高が今後実現してくることを踏まえ、名目・実質ともに同水準と見通した。
 着工床面積を用途別に見ると、事務所は、25年に東京都内でオフィスが大量供給される見込みで、23年度比6・3%増になる。一方で、店舗は、インバウンド消費の回復が見込まれるものの、実質賃金の落ち込みや景気の不透明感を踏まえ、2・5%減と予測した。
 工場は、半導体やEV関連工場の誘致政策の効果もあり、微増。倉庫・流通施設は、同水準で推移する。
 民間の土木投資は、鉄道工事などの受注が堅調に推移しており、実質で前年度と同水準の投資を見込んだ。
 23年度の建設投資(名目値)については、全体で4・6%増の71兆9200億円と予測。実質値は2・1%増の58兆5663億円と3年ぶりの増加を見通す。公共・民間ともに投資は底堅く推移するものの、建設コストの高止まりが解消される見込みは薄く、特に民間で、住宅・非住宅ともに新規着工に足踏みする様子がうかがえるとした。

提供:建通新聞社