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2024/01/30

標準労務費 約1000工種を3分類し検討

 国土交通省は、請負契約での労務費の相場観を示す「標準労務費」の調査方法案をまとめた。約1000工種の歩掛を3パターンに分類し、パターンごとに標準労務費の検討を進める。併せて、「標準労務費検討業務」の企画競争を1月26日に公示した。本年度中の契約を目指す。これと並行して、秋ごろに中央建設業審議会(中建審)の下にワーキンググループ(WG)を設置し、標準労務費を固めていくことになる。
 同業務では、過去に国交省が発注した直轄工事約3万件を対象に、1000種類以上ある工種の規格ごとに歩掛の使用頻度、工種と歩掛との相関などを分析・整理する。その上で、標準的な規格を決める。
 標準労務費は、1d・1平方bなど単位施工量当たりの標準的な労務費を示す。工種ごとに「1人当たりの労務費(公共工事設計労務単価)」と、「人工(歩掛)」を掛け合わせて算定する。ただ、歩掛は、工種によって複数ある規格ごとに存在する。その数は1000種類以上に及び、全ての規格に対応した標準労務費を算定するのは現実的ではない。そこで、国交省は、1工種当たり1〜数程度の規格にまとめる必要があるとし、代表的(標準的)な規格の歩掛をもって該当工種の標準労務費とする方向で検討することとした。
 歩掛は、約1000工種を@労務費割合が判明している工種(施工パッケージなど)A労務費割合が分からない工種(市場単価など)B歩掛が存在しない工種(直轄の住宅工事など)―の3パターンに分類し、標準労務費の作成方法などの検討を進める。同業務では、WGの運営に関わる会場設営や資料作成、有識者との調整も一括する。履行期限は2025年3月25日。
 WGでは、▽複数の規格をどのように標準的な規格にまとめるか▽標準労務費に幅を持たせるか▽歩掛が存在しない工種については標準労務費の算出方法をどうするか―といった課題を整理。具体化への検討を進める。調査・分析結果はWGでの検討の基礎資料にもする。
 標準労務費は、持続可能な建設業の実現に向けて取り組むべき施策の一つとして、中央建設業審議会(中建審)基本問題小委員会が提言した。中建審が作成・勧告することで、労務費を原資とする廉売行為を制限し、公正な競争の促進、技能者への賃金の行き渡りにつなげる狙いがある。

提供:建通新聞社