トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2026/06/22

技能実習生受入れ調査 賃金「足りない」の声も キャリア形成支援を強みに

 建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)がインドネシア・ベトナムの外国人技能実習生を対象にアンケート調査を実施したところ、受け取っている賃金について「あまり足りていない」との声が全体の3割を占めた。一方で、実習期間の修了後は特定技能1号への移行希望が過半数となっている。韓国・台湾などとの人材獲得競争が激しさを増す中、日本人を含めた技能人材の処遇改善に加え、中長期のキャリア形成を求める外国人材の声に応えることが重要になる。
 企業配属後の技能実習生に対し、全国鉄筋工事業協会や建専連を通じて2月にアンケートを行った。賃金の満足度に関する設問を見ると、インドネシア人の回答は「十分足りている」「まあまあ足りている」が合計73・6%を占めた。一方、「あまり足りていない」も26・3%あり、前年度の7・7%(「全然足りていない」を含む)と比べて大幅に増えた。
 ベトナム人で「十分足りている」「まあまあ足りている」との回答は66・6%。特に「十分足りている」との回答は前年度調査から半分以下となった。「あまり足りていない」は33・3%で、前年度より減ったものの、引き続き3割超が不満という結果だった。建専連は、賃金が低いと失踪やトラブルの原因となりかねず、「早期の対策が望まれる」としている。
 実習期間修了後の意向についても調査した。インドネシア人の回答で、「特定技能1号に合格して、もっと長く働きたい」は76・3%と大半を占め、前年度と比べても22・5ポイントの大幅にアップとなった。ベトナム人の回答でも、特定技能1号への移行希望が50・0%を占めた。
 建専連は、今後の担い手確保に向け、こうした意向のある外国人をさらに増やす必要があると総括した。27年度から技能実習に代わって始まる育成就労制度は、特定技能の入口として明確に位置付けられており、外国人材が中長期のキャリアを形成できるよう、受け入れ企業や団体、国が支援する仕組みづくりが求められる。
 アンケートに合わせ、芝浦工業大学と京都大学大学院の協力を得てベトナム・インドネシアの人材送り出し状況に関する調査も行った。特にベトナム人にとって、日本は「経済的優位性を相対的に失いつつある」と分析。台湾と比較して日本で働くベトナム人の給与満足度が低く、背景には日本の厳しい残業規制も影響しているとした。
 インドネシアについても、安定した経済成長により海外就労の魅力が低下する可能性を指摘。賃金面のみで競争するのではなく、日本での就労を通じて「技能、職業観、安全・品質意識といった付加価値を明確に提示していくことが重要になる」と総括した。

提供:建通新聞社