公共事業評価制度の見直しを求める自民党の衆参の議員らが6月25日、小林鷹之政調会長に提言書を手渡した。公共事業の新規実施や継続を判断する際、現在は投じる費用と金銭的な利益の比較をはじめ「数値指標に過度に依拠」していると指摘。目指す国土構造や地域の将来像を示す国の計画に基づく総合的な評価手法への転換を求めた。
提言は「国家戦略投資の新評価軸」と銘打ち、2027年度当初予算の方針を示す「骨太の方針」への反映を求めた。代表の中村裕之衆院議員と船橋利実参院議員、見坂茂範参院議員を中心に、衆参の議員ら35人が関与し、提言をまとめた。
事業評価制度は、公共事業の効率性や必要性を客観的に評価し、事業の新規実施や継続を判断するもの。事業に伴う調査から施工、維持管理までに必要となる費用と事業により得られる便益を比較し、費用便益費が「1」以上となることを要件としている。
提言では、事業評価に際し、費用便益費など金額換算が可能な指標にのみ頼ることのないよう要請した。国家戦略との整合性や防災・減災、国土強靱化への貢献、人命と地域を守る基盤機能など、金額換算が困難な効果を含め、より総合的な評価手法へと見直すよう要請した。
また、将来のお金の価値は現在よりも低く見られるため、事業の完成により得られる便益は「社会的割引率」を用いて現在の価値に割り引いた上で費用と比較される。率が高いほど新規事業化のハードルは高くなるが、社会的割引率は04年の設定以来、4%に固定されてきた。
提言では、金利水準や社会経済情勢の変化を踏まえ、「社会的割引率についても適切に見直す必要がある」とし、年内の見直しを求めた。
提供:建通新聞社