全国建設業協会(全建、今井雅則会長)のアンケート調査によると、ICT建機の調達方法を「自社所有機械」と回答した会員企業は44・3%となり、前年度の同じ調査と比べ5・4ポイント上昇した。内製化を理由に自社所有とした会員企業は67・2%(前年度比7・2ポイント上昇)いた。高額な初期費用を負担しても、ICT建機を自社所有に切り替え、ICT施工の利益率を高めようという会員企業が徐々に増加している。
調査は、47都道府県建設業協会の会員企業に生産性向上への取り組みを聞くため、毎年行っているもの。今年4〜6月に行った今回の調査には2750社が回答した。回答した企業の属性は、資本金が1000万〜3000万円、従業員が10〜30人、受注先が都道府県と答えた企業がそれぞれ最多となっている。
ICT施工に「取り組んでいる」と回答した企業は全体の60・6%となり、前年度の調査から3・6ポイント上昇した。取り組んでいると回答した企業の85・2%がICT活用工事の受注実績があるとした。
ICT建機の調達は、「自社によるレンタル・リース対応」と回答した企業が53・8%と依然として最多だったが、「自社所有機械」と回答した企業も44・3%と増加している。ICT建機を自社所有とすることで、ICT施工の内製化を図ろうとする企業が増加傾向にある。
ICT施工で内製化しているプロセスを聞くと、「測量・出来形管理」は53・6%と半数以上を占め、「3次元設計データの作成」の46・2%、「ICT建機による施工」の44・2%が続いた。「全て外注している」と回答した企業は24・7%と最も少なかった。
内製化の理由を聞くと、「利益向上のため」の55・9%、「他社との差別化」の44・9%、「外注費や外注の手待ち時間削減」の43・3%などの回答が多かった。
■初期費用の負担軽減に補助金活用
ただ、ICT施工に取り組んでいない会員企業にその理由を聞くと、「内製化のコストに見合った利益回収に疑問」と答えた企業が66・4%を占め、前年度の調査よりも12・3ポイント上昇した。施工量が小さく従来施工で十分対応できる、と考えている企業も多い。
自由回答には「ICT建機やドローンなどの導入費用が高く、中小規模の施工業者にとっては負担が大きい」「機械・ソフトウエアなどが高価で導入に踏み切れない。設備投資回収が難しい」との声も聞かれた。
一方、投資負担を軽減できる補助金を利用する企業が増えている。「補助金の利用予定はない」と回答した企業は34・7%となり、前年度よりも7・9ポイント減少した。
利用を予定している補助金として、経済産業省のIT導入補助金を挙げる企業が26・6%と最多で、ものづくり補助金の17・9%、中小企業省力化投資補助金の14・3%と回答する企業も多かった。国土交通省の「建設市場整備推進事業費補助金」と回答した企業も2・9%いた。
提供:建通新聞社