全国建設労働組合総連合(全建総連)の工務店・一人親方に対するアンケート調査で、回答者の44・0%が物価高騰分を取引先に価格転嫁できず、自己負担していることが分かった。2025年に行った前回調査と比べ、自己負担しているとの回答の割合が12・9ポイント拡大。既に見積書を提出したり、契約していたため請負金額を変更できなかった事業者が多かった。
調査は3〜5月に実施し、全国の工務店1609社から回答を得た。このうち48・9%と半数近くが一人親方で、42・3%が従業員数1〜4人と中小零細業者が中心となっている。
物価高騰で工事原価が上昇した割合は74・6%となり、前年調査からは減ったものの引き続き大半を占めた。価格上昇の影響についても聞いたところ、「受注者が減少した」が21・9%、「やや減少した」が37・7%となり、合わせて59・6%で受注に影響が出た。
価格転嫁の状況を見ると、「値上がり分を全て自社で負担」は8・6%、「値上がり分の一部を自社で負担」が35・4%となり、それぞれ前年度から増加。取引先に価格転嫁できたのは55・9%だった。
価格転嫁できなかった理由としては、「既に見積書を提出していたため」が65・1%。改正建設業法では価格変更協議の円滑化ルールが整備されたが、協議の前提となる書面契約そのものが一人親方には浸透していない。円滑な価格転嫁には、商慣行の見直しも必要になる。
改正建築基準法により、木造戸建住宅の大規模リフォームも確認申請手続きの対象となった。申請手続きの長期化も多数指摘され、資金繰りや工期など、回答者の54・6%で影響が生じたという。
担い手不足については、回答者の84・3%が「感じている」と回答。工期の延伸や外注費の上昇といった影響を指摘する回答が多かった。また、全体の77・4%に後継者がいなかった。廃業予定も24・4%あった。
提供:建通新聞社