全国建設業協会(全建、今井雅則会長)が行ったアンケート調査によると、会社や現場の業務を効率化するために生成AIを活用していると回答した会員企業は全体の18・7%にとどまった。建設分野のAI活用を巡っては、国土交通省が直轄事業の建設コンサルタント業務への利用を認めているほか、自律的に稼働するフィジカルAIを現場に活用する方針を示しているものの、地域の建設業での活用は限定的な段階にある。
全建の都道府県建設業協会の会員企業に生産性向上の取り組みを回答してもらうアンケート調査で、初めてAI活用について聞いた。回答した企業は2750社、調査期間は4〜5月だった。
AIを活用していると回答した企業に聞くと、活用している分野を書類作成や議事録、翻訳などの事務・バックオフィス業務とした企業が89・3%と大半を占めている。回答が次いで多かったのは、AIカメラによる危険検知、重機の接触・進入防止など「現場の安全管理」の27・2%、AIを活用できる人材の採用や社内研修など「人材育成」の23・2%が続いた。
工程の最適化・人員配置など「工程・経営管理」への活用も7・4%、図面の拾い出しや見積もりにAIを活用している企業も6・6%いた。
AI活用によって得られた効果を聞くと、活用前と比べ1〜3割程度の省人化効果があったと回答した企業が41・4%と最多で、1割未満の34・8%が次いで多い。
一方、AIを活用していない会員企業も、活用に「関心がある」と答えた企業が62・6%に上っている。AI活用の効果を期待している分野には、文章・書類作成、議事録、翻訳などの「事務・バックオフィス業務」が69・9%で最も多かった。
自由回答では、現場に従事する技術者の書類作成にAIを活用すると、「現場管理に注力できるため、生産性向上につながる」といった意見や、AIで技術者の書類作成の負担を軽減し、「1人の技術者が複数現場を無理なく兼務できる環境を整える必要がある」といった意見が出ている。
提供:建通新聞社