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2026/07/24

労務費明示の見積書作成 一人親方の6割「知らない」

 国土交通省が、材料費や労務費、法定福利費といった必要経費を内訳明示した見積書(材料費等記載見積書)の作成義務について、一人親方の認識状況を調査したところ、55・7%と半数超が「知らない」と回答した。2025年末に全面施行した改正建設業法により、建設業者には材料費等記載見積書を作成する努力義務が課されたが、浸透には時間を要しそうだ。
 改正建設業法では、適正な施工に必要な経費として労務費や材料費、法定福利費、安全衛生経費、建設業退職金共済制度の掛金を規定している。これらの経費を確実に確保できるよう、建設業者に対して必要経費を内訳明示した見積書を作成するよう求めている。努力義務は許可業者に課され、建設業許可のない一人親方には適用されないが、国交省は一人親方を取り巻く商慣習の改善のため、内訳明示した見積書作成の徹底を促している。
 調査で、努力義務の内容についておおむねか、または部分的に「把握している」と回答したのは25・2%と、全体の4分の1程度だった。
 内訳明示した見積書の作成に当たって困難な点を聞いたところ、「日当のため内訳を記載するのが困難」との回答が35・9%を占め、最多となった。次いで、「複数の工程や作業を同時に担当しているため、内訳を記載することが手間」との回答が18・9%あった。「作成しても受け取ってもらえない」との回答も1・7%と一部だが存在した。
 内訳明示の有無を問わず、見積書の提出状況についても調べた。「提出していない」と回答した一人親方は61・8%で、前年度から1・4ポイントの微減なったが、引き続き3分の2近くを占めた。提出しない理由は「習慣がない」が68・9%で最も多かった。「提出しないように指示された」という回答も1・4%あった。
 請負契約の段階でも、建設業法で求める書面契約を行っていない一人親方は42・6%あった。書面契約を行わない理由は「習慣がない」が90・6%と大半を占めた。「書面契約を行わないよう言われた」(2・0%)、「過去に書面契約を断られた」(1・5%)との回答も一部あった。
 建退共制度への加入状況についても調べたところ、加入している一人親方は23・2%と一部にとどまった。加入しない理由は「手続きが煩雑」が28・5%で最多となった。次いで「建退共を知らない」との回答が21・6%を占めた。「掛金負担が重い」との回答も18・0%を占めており、内訳明示した見積書による掛金の原資の確保が重要になる。
 調査は、25年11月〜26年1月に実施し、一人親方から1768件の回答を得た。

提供:建通新聞社