国土交通省の調べによると、一般競争入札や指名競争入札で発注した工事のうち、くじ引きで契約した割合は、都道府県で平均15・99%、政令市で21・97%となった。政令市のうち7市では、くじ引きによる契約率が4割以上に上った。8月にかけて全国8ブロックで開く監理課長等会議を活用し、各自治体の入札契約担当課長からくじ引きによる契約の実態や、対策の実施状況について聞き、国交省として講じるべき措置を検討する。
くじ引きは、特に低入札価格調査の基準価格や最低制限価格が事前公表される場合に多く発生する。低入価格や最低制限価格付近に入札価格が集中し、入札価格が同額となるためだ。
国交省の調べでは、47都道府県のうち6団体で、くじ引きによる契約が一般・指名競争入札による契約の40%以上を占めていた。20ある政令市では7団体とより大きな割合でくじ引きによる契約率が40%以上となっていた。
国交省が都道府県・政令市にくじ引きが発生しやすい工種を聞いたところ、挙げられた工種は「舗装」の24%、「土木一式」の21%が飛び抜けて多かった。この他、塗装やとび、造園、コンクリートなど幅広い工種でくじ引きが発生していた=グラフ。
くじ引きの対象となる入札参加者数は、おおむね「20社以下」と回答した団体が53団体と大半を占めた。
積算基準や設計単価が公開・標準化されていると見積もりが入札参加者間で一致しやすいとの声も寄せられた。予定価格が事前公表されていると、最低制限価格を類推しやすくなったり、総合評価落札方式を採用していない場合にくじ引きが発生しやすいとの指摘もあった。
最低制限価格などの近傍を狙った入札でくじ引きが多発すると、適切な積算を行わない企業が受注者になりかねない。入札契約適正化法に基づく適正化指針では、「建設業者の真の技術力・経営力による競争を損ねる」とされ、対策が求められている。
都道府県・政令市からも、くじ引きにより結果的に特定の業者に工事が集中したり、一方で落札できないことが続いた業者の入札参加意欲が削がれるなど、さまざまな課題が指摘されている。
国交省は、これらの自治体に対し、具体的なくじ引き対策についても調査した。総合評価落札方式の導入を挙げる団体が最も多く、55%を占めた。技術力・施工実績評価や地域貢献への配点、技術提案への評価を通じ、価格以外の要素による受注者の決定につなげる。
この他、入札参加要件で地域要件や施工実績を設定するとの回答と、最低制限価格・低入札価格調査基準価格の算定基礎額にランダム係数を乗じるなどの回答も、それぞれ16%を占めた。最低制限価格・低入札価格の参考となる予定価格の事前公表禁止や、同じ業者が落札可能なくじ引きにより落札できる件数に制限を設けるといった工夫を挙げる団体もあった。
提供:建通新聞社