国土交通省は、「今後の整備新幹線の貸付のあり方に関する小委員会」の報告書を公表した。整備新幹線の整備財源となる貸付料については、固定制を基本としながら社会状況の変化に応じて変更できる仕組みを導入すべきとした。不動産賃料を参考に、新幹線整備による受益を基とする現在の貸付料算定方法に代わる、新しい算定方法の導入も求めた。
整備新幹線は、鉄道・運輸機構が施設を建設し、JR各社に貸し付けている。貸付期間は、いずれの整備新幹線も30年間。初めて開業した整備新幹線である北陸新幹線の貸付期限が2027年9月末までと迫っているため、他の整備新幹線の貸し付けのあり方も含め、小委員会で検討した。
小委員会は▽貸付期間▽貸付料の改定▽貸付料の算定方法▽受益の範囲▽大規模改修や自然災害への対応―の5項目について、今後の方向性を整理した。
貸付期間は、整備財源の長期的な安定や、JR各社からの経営見通し確保の要請に対応するため、現在と変わらない30年間を基本とした。貸付料の改定についても、同様の理由で固定制を採用すべきとした。一方で、貸付料の改定に関しては、社会変化への対応も重要とし、一定の経済指標などを基に変更できる仕組みも必要とした。
貸付料は現在、整備新幹線を整備した際の収益から、整備しない場合に想定される収益を差し引いた「受益」の範囲内で算定している。今後は、これまでの貸付期間の実績を参考として、より適切な算定方法に見直すべきとした。
将来的に必要となる大規模改修などへの対応については、通常の賃貸借契約と同様に、鉄道・運輸機構が責任を負うことが妥当とした。この考えを前提に、大規模改修や自然災害への備えについて、対策を具体化させることを求めた。
提供:建通新聞社