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2010/01/29

改正環境影響評価法で「戦略的環境アセス」制度化へ 環境省委員会

 中央環境審議会総合政策部会環境影響評価制度専門委員会(委員長、浅野直人福岡大学法学部教授)は28日、戦略的環境アセスメント(SEA)の制度化や、スコーピング(方法書手続き)段階での説明会の実施などを求める報告書をまとめた。環境省は、この報告書と2010年2月に実施するパブリックコメントを踏まえ、環境影響評価法施行後初の改正法案を作成。2010年通常国会に提出する。
 報告書は、早期の段階から調査・予測・評価を行うSEAは、事業者にとっても重大な環境影響を回避・低減する効果を期待できると指摘。その上でSEA制度の対象は現行法の「第一種事業相当の事業」とし、実施主体には公共事業だけでなく、民間事業も含めた事業の計画策定者も含めるべきとした。
 スコーピングについては、方法書段階での説明会を制度化して住民とのコミュニケーションを充実させる必要を指摘。環境省が方法書の位置付けを明確にした上で、運用上のガイドラインや用語解説を作成し、事業者の負担を軽減するよう求めた。
 一方、対象事業の見直しについては、現行法が対象とはしていない小規模事業や、法対象外の事業種を地方公共団体が環境評価条例で対象事業としている現在の役割分担を尊重。法律に基づく許認可事業などを法的関与要件の一つとしている現行法の考え方は維持すべきとした。
 また、国の補助事業とは異なり、現行法で法的関与要件として位置付けられていない交付金についても法の対象とする制度設計を行うよう注文した。
 さらに、報告書は将来的に実施が見込まれる事業種への対応についても触れ、地球温暖化対策の推進によって、今後、民間事業者による大規模な風力発電事業が大幅に増加すると予想。風力発電施設を法の対象事業に追加することの是非を検討するよう求めた。

提供:建通新聞社<