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2010/08/10

新経審を11年度・12年度競争参加資格審査に反映 国交省で調整進む

 国土交通省は、経営事項審査(経審)の新たな審査基準を2011年度・12年度競争参加資格審査に反映させる方向で調整を進めている。定期受け付けに際しては、現行の基準に基づく経審で認定した上で、新経審の適用開始が見込まれる11年4月1日以降、新経審を取得すれば希望により再審査、認定することを視野に入れている。随時受け付けでは、申請時点で最新のものであれば現行経審、新経審のいずれも認定する方向だ。
 経審の新たな審査基準をめぐっては、本年7月に中央建設業審議会が答申した内容を踏まえ、国交省が省令・告示などの具体化に向けた作業を進めている。主な改正点は▽完成工事高(X1)と元請完成工事高(Z2)の評点テーブルの上方修正▽評価対象技術者の「6カ月以上の雇用」の要件化▽法的整理の対象となった再生企業に対するW点の減点措置▽建設機械の保有状況とISOの取得状況のW点項目追加―などを想定している。
 今回、国交省が同一の定期年度内で現行経審と新経審の選択を認める手法を検討しているのは、新経審の適用が実務的に11年度・12年度の一元受け付けに間に合わないためだ。
 11年度・12年度競争参加資格審査の定期受け付けは、11月にインターネット一元受け付けのパスワード申し込みを開始した上で、12月から申請を受け付ける見込み。これに対し、新経審は秋口に省令・告示・通知を改めた上で、11年4月から適用を開始する構えだ。
 仮に新経審の適用を前倒ししようとすれば、周知期間の不足に加え、手続きや事務処理などの面で窮屈な期間設定が余儀なくされ、混乱が生じる恐れがある。一方、13年度・14年度の定期受け付けからの適用となれば、新経審の浸透に時間がかかり過ぎてしまう。このため、何らかの経過的な措置が必要とみたようだ。
 ただ、異なる基準の混在によって生じる課題も考えられることから、国交省では11年度・12年度競争参加資格審査を官報公示する10月まで慎重に制度設計を固めていく方針だ。

提供:建通新聞社