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2012/02/21

技術者専任の緩和を通知 被災地で国交省

 国土交通省は、東日本大震災の被災地で建設技術者の専任配置を事実上緩和するための運用方針をまとめ、20日付で公共発注機関や建設関係団体などに通知した。一体性・連続性が認められる工事のうち工事現場相互の間隔が約5`以内に近接した場所で施工する場合、原則として主任技術者が2件程度の現場を兼務できることとした。主任技術者などの専任を要しない期間についても、あらためて明確化した。
 今回の措置は、建設技術者の不足から被災地で入札不調が多発している問題を是正することが狙い。被災3県(岩手・宮城・福島)だけでなく、青森県や茨城県の沿岸部など、大震災で甚大な被害を受けた地域を幅広く対象としている。
 こうした地域の復旧・復興事業に当たり、一人の主任技術者が管理できる近接工事の要件を緩和する方法で明確化した。具体的には、被災地域内の一体性・連続性のある工事で、現場相互の間隔が約5`以内であれば兼任を可能とした。発注者が異なる場合でも対象となる。
 ただし、適正な施工を確保する観点から、兼任できる工事の箇所は原則2件程度までとした。さらに、個々の工事の難易度や工事現場相互の距離などの条件を踏まえ、各工事の適切な施工に遺漏がないよう、発注者が適切に判断するよう求めた。
 主任技術者などの専任を要しない期間については、2004年に国交省がまとめた「監理技術者制度運用マニュアル」で、▽請負契約の締結後、現場施工に着手するための期間(現場事務所の設置、資機材の搬入または仮設工事などが開始されるまでの間)▽工事完成後、検査が終了し、事務手続き、後片付けなどのみが残っている期間―などのケースでは、専任不要としている。また、09年の通知では、設計図書(仕様書、現場説明書)に技術者専任を要しない期間を記載する際の具体例などを示した。今回、こうした考え方に基づく適切な運用を要請した。

提供:建通新聞社