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中央ニュース

2012/04/27

《シールドトンネル事故再発防止へ検討着手 国交省

 国土交通省は27日、倉敷市(岡山県)のシールドトンネル工事現場で発生した事故の再発防止策を検討するため、「シールドトンネル施工技術安全性向上協議会」の初会合を開いた。事故が発生した原因を再発防止の観点から検証した上で、シールドトンネルに関する技術基準・指針類の見直しに向けた検討を進めていく方針だ。
 JX日鉱日石エネルギー水島工場の海底トンネル工事で発生した事故では、掘削中のシールドトンネルに海水が流入し、作業員5人が死亡した。これを重くみた国交省はシールドトンネル工事の安全を確保する手法を技術的に検討するため、有識者委員会を設けることにした。初会合では、委員長に東京都立大学(現首都大学東京)名誉教授の今田徹氏が就任。委員は有識者、業界関係者、行政担当者らで構成する。
 主な検討項目は、@今回の事故の設計・施工方法などの状況把握A全国のシールドトンネルの設計・施工上の安全対策の状況把握B現状を踏まえた課題の抽出と対応策の検討Cシールドトンネルの安全対策に関わる設計・施工技術の提言―を想定。警察が事故原因の究明を進めている最中のため、会合は原則非公開で開催していく。
 会合終了後、取材に応じた今田委員長は「シールド工法はこれまで安全な工法とされてきたが、どの技術も絶対に安全ということはない。より安全なものとしていくために、調査・設計・施工の全工程をしっかりと検証し、必要が認められれば基準類の見直しなどを提言したい」との考えを示した。提言をまとめる時期については「現段階では未定」とした。

提供:建通新聞社