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2012/06/20

次世代林業システムの実現を提言

 日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の森林再生事業化委員会は19日、「次世代林業システム」の実現に向けた2012年度重点政策提言を国土交通省の佐藤直良技監らに提出した。政策提言では、2020年度までに木材自給率50%を実現するため、国産材型枠用合板の需要拡大や、木材利用による炭素固定の評価制度の確立などを要望。鉄鋼スラグ製品を活用した路網の舗装など、壊れにくい林道技術の開発にも力を注ぐなどとしている。
 10年3月に森林再生事業化委員会がまとめた「次世代林業システム」は、木材自給率50%の実現に向け、国有林・私有林、国・地方、省庁・産業界が垣根を超えて森林再生に取り組むためのビジョン。今回の政策提言はこの中でも重点的に取り組むべき項目を盛り込み、国交省の佐藤技監のほか、林野庁の皆川芳嗣長官、内閣官房地域活性化統合事務局の和泉洋人事務局長らに提言書を手渡した。
 国産材型枠については、現在は主流の南洋材合板に代わり、環境に配慮した国産材を活用したコンクリート型枠用合板の需要拡大が重要だとし、公共工事の発注仕様書で使用を明記すべきと訴えた。また、民間工事での活用の必要性も主張し、国産材を利用した住宅などに対し、カーボンオフセットの仕組みを利用した炭素固定を評価する制度の導入を求めた。
 森林に整備されている公道や民道を結ぶネットワークの構築についても要望。国道、地方道、電力管理道、林業路網など各主体が整備した既存の林道を結ぶことで、最小コストでネットワークを図ることができると訴えた。損傷しやすい区間の補強には、鉄鋼スラグ製品による舗装、セメント系舗装などを活用できるよう、産業界として技術開発を進めるとした。
 このほか、東北の復興と雇用創出に貢献するモデル事業も実施する。岩手県釜石市・遠野市などの森林地域から木材を伐り出し、地元で木材を加工し、地元建設業が復興住宅と基盤をつくる。省エネ性能などに優れた汎用性のある木造復興住宅の開発につなげる。

提供:建通新聞社