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2012/10/09

「ヘルスケアリート」の普及促進で初会合 高齢者住宅などに不動産証券化手法

 国土交通省は5日、老人ホームや高齢者住宅などへの不動産証券化手法の活用策を検討する「ヘルスケア施設供給促進のための不動産証券化手法の活用及び安定利用の確保に関する検討委員会」(座長・川北英隆京都大学大学院教授)の初会合を開いた。高齢者人口の増加と財政難の問題を抱える国内事情を踏まえ、高齢者施設・住宅向けに「日本版ヘルスケアリート」を普及させるための環境整備の在り方について、2012年度中に提言をまとめる。
 高齢化や核家族化の進展によるヘルスケア施設の不足解消に向け、政府はことし7月にまとめた日本再生戦略に、全高齢者における介護施設と高齢者住宅の定員数の割合を20年までに0・9%から3〜5%に引き上げる目標を盛り込んだ。定員数増加の起爆剤と考えるのが日本版ヘルスケアリートの創設だ。
 国土交通省の佐々木基土地・建設産業局長は「昨今の不動産市場は地価の下げ止まりも見られる」との見方を示した上で「回復基調にある不動産投資を高齢化問題などの社会的なニーズにどう振り向けるかが重要だ」と述べ、ヘルスケア施設への不動産証券化手法の活用に意欲を見せた。
 初会合では、ヘルスケア施設での証券化の現状について関係者からヒアリング。野村不動産投資顧問の榎本英二副社長が「ヘルスケア施設の供給などの社会的ニーズと、安定運用を求めるリート運用者のニーズのベクトルは一致している」と検討委員会の設置を歓迎する意向を示したほか、エイ・アイ・ピー・ジャパンの安藤茂マネージングディレクターは「金融機関に社会的な有用性の高いファンドへの一定規模の出資義務を課すことも選択肢の一つ」と提言した。

提供:建通新聞社