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中央ニュース

2013/05/29

来月に方向性整理 地域の建設産業・入札契約制度検討会議 国交省

 国土交通省は28日、今後の建設産業政策と入札契約制度の方向性を議論する「地域の建設産業及び入札契約制度のあり方検討会議」(議長・鶴保庸介副国交相)の初会合を開いた。初会合では▽時代のニーズや事業特性に応じた多様な入札契約方式の導入▽ダンピング対策の強化▽技術・技能者の確保・育成▽維持管理・災害対応の確保と将来の品質確保―の四つの検討課題を整理し、次回6月の会合で方向性を示すことを決めた。7月以降、中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会や、新設する「直轄事業における今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会(仮称)」に場を移し、具体的な検討に着手する。
 鶴保副国交相は初会合の冒頭で「地域の減災・防災に携わる建設業の役割は見直されてきているが、長い間の不景気もあってダンピングや技術・技能労働者の減少などさまざまな問題が生じている」と建設産業の現状を分析。加えて、高知県内の直轄工事で発生した談合問題にも触れ「入札契約を含めた制度全体を考え直す時期に来ているのではないか」と会議発足の意義を説明し「参議院選挙までに方向性を示したい」との考えを語った。
 会議では、現在の建設産業が抱える課題として、建設投資の大幅な減少や指名競争入札から一般競争入札・総合評価方式への転換による、受注競争の過度な激化などがあると分析。結果として、下請け・技能労働者の処遇低下、若年入職者の減少、高齢化の進行、将来的な品質確保への懸念などが生じているとした。
 こうした課題の解消を目的に制度改革を検討する上での四つの視点を提示。多様な入札契約方式の導入・活用に向けては、受発注者の負担軽減、入札手続きの各段階における企業評価の在り方などを議論。ダンピング対策の強化に向けた課題としては、より適正な予定価格の在り方や適正価格での元下契約などをテーマに挙げている。
 技術者・技能者の確保・育成では、公共工事設計労務単価の引き上げに伴う労働者の賃上げや社会保険などへの加入方策のほか、若年者の入職促進に向けた戦略的広報の在り方も検討する。
 また、地域インフラの維持管理と災害対応、将来的な品質確保に向けては、構造物の長寿命化対策など維持管理事業を適切に推進するための方式、建設機械の取得促進などを議論する。発注者の責務として、担い手確保や品質確保を明確化する方策も検討する。

提供:建通新聞社