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2015/07/08

【連載】第10回建設トップランナーフォーラム(1)

東京都内で「第10回建設トップランナーフォーラム」(建設トップランナー倶楽部主催)が開催された。事例紹介やパネルディスカッションを通じて地域建設業の今後の可能性を探った。建設トップランナーフォーラムの模様を連載します。

■建設業の魅力を発信! 
開会のことば 飯田誠次郎(日本青年会議所2015年度建設部会長)
建設トップランナーフォーラム(1) 飯田氏
 冒頭、開会あいさつに立った日本青年会議所の飯田誠次郎建設部会長は、自身も1回目から携わっている同フォーラムについて「皆さまに助けられ、育てられ、愛されて、年を重ねるごとに発展してきた」と思いを巡らせた。
 前回のフォーラムから、建設業の担い手不足や人材育成の諸問題をテーマに加えたことにも触れ、全国26地域に建設クラブを持つ日本青年会議所建設部会でもこの問題に着目し、「建設業の魅力を再認識して発信する取り組みを進めている」と魅力発信の重要性を強調。「今回のフォーラムをきっかけとして、地域の建設業がさらに元気に発展するよう願っている」と述べた。
 
■尊い建設業の仕事
特別講演 青山俊樹(元国土交通事務次官)
建設トップランナーフォーラム(1) 青山氏
 元国土交通事務次官の青山俊樹氏は、「建設業の仕事は尊いもの」とし、愛読書の「後世への最大遺物(内村鑑三著)」から、「ものづくりを次世に残す営み以上に尊いのは、志を持って人生を積み上げ、情熱を持ってこの世を良くしたいと努力し続ける『人生そのもの』だ」という考えを紹介した。
 日本の今後の道は「努力」であるとし、「人間の志の尊さや清らかさを考えた場合、東日本大震災における東北の方々のビヘイビア(ふるまい)や自衛隊、消防、建設業の活躍こそが世界に誇れるもの」と力を込めた。そして、「皆さんがその素晴らしい志を持って生きていくことが、地方の創生に直接つながるのではないか」と話した。

■地方創生の役割果たせ
基調講演 建設トップランナー倶楽部 代表幹事 米田雅子
建設トップランナーフォーラム(1) 米田氏
 建設トップランナー倶楽部の米田雅子代表幹事はフォーラムを始めてからの10年を振り返り、農業への参入や、林業と建設業がともに働く「林建協働」などの取り組みを紹介。介護や環境ビジネスなど複数の本業を持つ「建設業の複業化」の考え方にも触れた。
 複業化を行う建設業については「相乗効果で会社全体の経営を安定させ、地域に必要な企業になることで、地域とともに発展してきた」とし、複業化は地方創生でも有効な手段になると強調した。
 建設業の本業については、東日本大震災で東北の建設会社の約6割が、発災から4時間以内に初動対応に向かったことを「世界の奇跡」と称賛。災害の多い日本における地域建設業の必要性を強く訴え、「インフラの町医者になることを目標に、地域防災の最前線、インフラの守り手として役割を果たしてほしい」と期待したほか、「社会資本整備は地方創生に欠かせない。本来の使命を果たしながら、安定的に次世代を育てられる、そんな建設産業になることを願ってやまない」とエールを送った。