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2016/03/09

地域建設業経営強化融資 20年度末まで延長

 国土交通省は、公共工事の請負代金債権を担保に資金を調達できる「地域建設業経営強化融資制度」と、下請け企業の連鎖倒産を防止する「下請債権保全支援事業」の期限延長を決めた。これまで事業を1年単位で延長してきた地域建設業経営強化融資制度は2020年度末まで5年間延長し、東京五輪の関連投資に伴う建設企業の資金需要に備える。下請債権保全支援事業は16年度末まで1年間の延長。下請け建設企業が負担する保証料の助成を保証料の2分の1、上限1・5%に縮小する。
 地域建設業経営強化融資制度では、公共工事の請負代金債権を担保に事業協同組合などが中小・中堅建設企業に迅速に融資を実行する。保証人・不動産担保がなくても、工事の出来高に応じて建設企業が転貸融資を受けることができる。
 同制度は毎年度、1年単位で延長しているが、今回は15年度末までの期限を20年度末まで5年間延長することが決まった。東京五輪の関連施設整備を受注する建設企業の資金需要に応えるのが狙いだ。5年間の延長を決めたことに伴い、国交省は全市区町村の32・4%にとどまっている導入率の引き上げに向け、公共工事の発注者である各自治体に制度導入の働き掛けを強める。
 一方、同じく3月末までが事業の実施期限だった下請債権保全支援事業は16年度末まで1年間延長する。地方を中心に公共工事が減少し、民間工事も回復基調ながら弱い動きが見られることから、事業延長により、下請け建設企業や資材業者の経営・雇用の安定、連鎖倒産の防止につなげる。
 4月以降の保証引き受けは、下請け建設企業が負担する債権保全の保証料への助成を現行の3分の2(上限3%)から2分の1(上限1・5%)に引き下げる。保証債務が履行された際のファクタリング会社への損失補償の保証割合も85%から75%に引き下げる。
 また、これまで下請け建設企業が下請け代金債権の1%を負担していた利用料は、損失補償運営費としてファクタリング会社が負担する形に見直す。

提供:建通新聞社