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2016/05/17

地盤改良データ改ざん 国交省が有識者委

 国土交通省は、東亜建設工業(東京都)が施工した羽田空港滑走路の地盤改良工事などで発覚した施工不良と虚偽報告を受け、再発防止策を検討する有識者委員会を設置することを決めた。同省は現在、空港施設だけでなく港湾施設などに対象を広げ、薬液注入を採用した直轄工事の施工不良を調査している。有識者委はこの調査結果を踏まえ、今回の不正を見抜けなかった発注者の監督・検査の在り方も検証する。
 東亜建設工業は、羽田空港、福岡空港、松山空港で施工した地盤改良工事5件で、仕様書通りの施工を完了していなかったにも関わらず、データを改ざんし、発注者である国交省に虚偽の報告を行っていた。いずれも同社が開発したバルーングラウト工法を採用した工事で、設計数量通りの薬液を注入していなかった。
 国交省はこうした事態を受け、空港施設以外の薬液注入工事でも不正がなかったか、20日までに報告するよう同社に指示。一方、各地方整備局は、他社が施工した薬液注入工事にも不正がなかったか調査している。
 有識者委では、東亜建設工業と地整の調査結果を踏まえ、今回の施工不良と虚偽報告の原因究明、再発防止策、施工不良のあった工事の補修計画の妥当性などを検討する。調査で空港施設以外に不正が発覚した場合には、直轄工事全体の監督・検査の在り方も検証することになる。

提供:建通新聞社