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2016/07/12

機械式鉄筋定着工法 設計段階で採用

 国土交通省は、鉄筋を拘束する手間を省略し、作業効率を高める「機械式鉄筋定着工法」を直轄土木工事で積極的に活用する。日本建設業連合会(日建連)などが設置した検討委員会が同工法の配筋設計ガイドラインを策定したことを受け、せん断補強鉄筋と横拘束筋を対象に設計段階で同工法を採用するよう各地方整備局などに指示する。同工法の導入で、鉄筋工や工期を従来工法よりも平均1割程度削減できるとみており、コンクリート工の生産性向上への効果が期待されるという。
 鉄筋コンクリート構造物に使用する鉄筋は、部材の内部で鉄筋を結束する作業が生じるため、フック加工部から直線延長部長を規定通り確保すると、高密度配筋時には主筋と型枠の間に鉄筋が入らなくなる恐れがある。
 機械式鉄筋定着工法は、端部フックを機械式定着体とするため、鉄筋を結束する手間が少なくなるため、作業効率を高めたり、鉄筋の重量を減らすことが可能。配筋を少なくして高密度配筋を解消する効果もあるという。ただ、同工法は信頼性の評価が十分に行われていなかったため、現在は使用実績に基づく仕様規定にとどまっている。工法を採用したい受注者は、発注者に施工承諾を申請する必要がある。
 日建連、建設コンサルタンツ協会、国交省、学識経験者でつくる「機械式鉄筋定着工法技術検討委員会」は、同工法の技術的な留意事項を示した配筋設計ガイドラインを策定。工法の適用範囲を使用頻度が高いせん断補強鉄筋と横拘束筋と明確にし、建設技術審査証明を取得している機械式鉄筋定着工法を設計段階で採用することを認める。
 7月1日時点で土木分野で建設技術審査証明を取得している工法は▽Tヘッド工法▽Head-bar▽プレートフック工法▽フリップバー▽TPナット工法▽タフナット―の6件。
 国交省は、機械式鉄筋定着工法の積極的な活用をi-Constructionのトップランナー施策の一つである「コンクリート工の規格の標準化」の第1弾と位置付けた。今後も、機械式継手、高流動コンクリート、プレキャスト製品の適用拡大などに順次取り組む方針だ。

提供:建通新聞社