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2016/11/04

連載「測る、描く、守る」 第10回・強力なツール「地理院地図」

 皆さんはインターネット地図の「地理院地図」をご存知でしょうか?
「地理院地図」は、地形図、空中写真(航空写真)、標高、地形分類、災害情報など、日本の国土の様子を発信しているウェブ地図です。特別なソフトウェアのインストールは不要で、パソコンやスマートフォンからどなたでもご覧いただけます。

地理院地図(電子国土Web)

 地理院地図には、次の五つのポイントがあります。

 (1)最新の道路や鉄道が載っている。
 主要な道路や鉄道の新設・改良の状況は、供用開始日当日に地図に反映され、最新の情報をご確認いただけます。例えば、今年の新東名(浜松いなさJCT〜豊田東JCT)の開通は、開通後1時間で見ることができるようになりました。電子地図の力です。

 (2)さまざまな情報が見られる。
 収録している情報は1,600枚の地図を重ねて見ることができます。例えば、標高の変化を段階的な色分けで視覚的に表現した色別標高図、活断層の位置を示した都市圏活断層図といった国土の様子を示した情報に加え、熊本地震や、今夏の台風による水害のような災害時の被災状況を捉えた空中写真なども収録されていて、重ねて同時に見ることができます。

 (3)昔の空中写真が見られる。
 最近撮影されたものはもちろん、古くは戦前のものにまでさかのぼれる場所もあります。年代別の空中写真を見比べることで、戦後復興期〜高度経済成長期の国土の変遷や、住宅団地開発や森林などの変化も見ることができます。

 (4)どこでも土地の高さ(標高)がわかる。
 全国の任意の地点の標高値を画面上に表示することができます。地形図から標高値を読み取る技術がなくても、知りたい場所の標高値を簡単に知ることができます。スマートフォンで今いる場所の標高を調べることもできますから、津波等の災害対策にも役立ちます。災害時には、自衛隊が地理院地図の緯度・経度・高さの情報を人命救助に活用しています。

 (5)3D(三次元)、つまり立体感を持って見られる。
 地形図をはじめさまざまな情報を立体表示にしてご覧いただけます。立体表示することで、地形の様子をリアル(直感的)に把握することができます。また、表示した情報を3Dプリンタ用のデータとしてダウンロードして利用することもできます。

 このように、ウェブで簡単に国土の様子を見ることができる地理院地図は、とりわけ建設・社会資本整備関係の業務に携わる皆さんにとっても、設計や施工のシミュレーション、地域への事業説明、災害対応など、さまざまな場面で活用いただける強力なツールです。業務のみならず教育や余暇の場面でも、ぜひ、試してみてください。(国土地理院)