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2017/01/27

無電柱化 今春に短期・中長期施策

国土交通省は、低コスト化や占用禁止といった無電柱化を推進する方策について話し合う「無電柱化推進のありかた検討委員会」を設置し、1月26日に初会合を開いた。昨年12月の無電柱化推進法成立を受け、無電柱化への期待が高まる一方、電線類の地中化工事には、コスト高や電力会社との調整が困難といった課題が依然としてある。検討委は同省が短期的・中長期的に講じることが望ましいと考える施策を今春にも提言する。
 ロンドンやパリ、香港の無電柱化率が100%であるのに対し、日本では東京23区で7%、大阪市で5%と大きく立ち遅れた状況にある。さらに、1年当たりの整備延長も、04〜08年度の440`が、09年度以降に260`と大きく落ち込んでいる。
 無電柱化の遅れは、公共事業費の減少に加え、コスト高も障壁になっている。従来方式の電線共同溝では1`当たりの整備費が約3・5億円であるのに対し、海外では一般的な直接埋設の8000万円の4倍超と割高だ。
 国交省も無電柱化の低コスト手法の導入を急いでいる。16年度に基準を緩和した浅層埋設、モデル施工に着手した小型ボックス埋設については、16年度中に技術マニュアルを作成し、全国に展開する。さらに低コスト化が可能な直接埋設についても、17年度にモデル施工を開始する予定だ。
 無電柱化推進法の成立も追い風となる。同法は、国・地方自治体が指定した道路で、道路占用を制限し、電柱の新設を禁止できる。国・自治体・関係事業者に既存の電柱を撤去する低コスト化手法の研究開発も求めている。
 検討委は、こうした現状を踏まえ、無電柱化の推進に向けた短期的・中長期的な施策について提言する。推進法で国に求められた財政上・税制上の支援策も議題に挙がっている。

提供:建通新聞社