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2017/11/22

石綿「事前調査」資格者、明確化を検討へ

 厚生労働省は、石綿障害予防規則の改正を視野に入れ、同規則における「石綿(アスベスト)の事前調査を行わせるべき者(資格者)」と、「分析・評価を行わせるべき機関」の明確化に向けた検討を、第13次労働災害防止計画を踏まえて開始する考えだ。すでに「建築物石綿含有建材調査者制度」を運用している国土交通省と、施行後5年を迎える改正大気汚染防止法のフォローアップを行う環境省の動向を注視しながら、両省とも連携し、「事前調査」の確実な履行と調査精度の向上につなげたい考えだ。
 石綿障害予防規則は、大気汚染防止法と建設リサイクル法と同様に、建築物などの解体時には石綿の使用の有無やその状況などについて事前調査を行うことを義務付けている。
 しかし、これまで厚労省の「事前調査を行わせるべき者」としての適格性についての判断は、2014年4月23日に労働基準局長が発出した通達(基発0423第7号)で「『建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者技能講習修了者のうち石綿等の除去等の作業の経験を有する者及び日本アスベスト調査診断協会に登録された者』など石綿に関し一定の知見を有し、的確な判断ができる者が調査を行うこと」とするにとどまっていた。
 一方、同省は、石綿含有建材などの分析技術・精度を担保するための方策についても検討する考えだ。
 独自に石綿の分析技術・精度に関する評価・認定を行っている日本作業環境測定協会と、位相差顕微鏡法によるアスベスト繊維計数技能向上プログラムや偏光顕微鏡実技研修などを実施している日本環境測定分析協会のスキームの有効性を検証し、活用・応用の可能性を探る。
 現行の石綿障害予防規則と大気汚染防止法で規定されている石綿を含有する建築物などを解体する際の事前の届出についても、現行法が対象としているレベル1、2に加え、レベル3についても対象とすることの是非について検討する。
 厚労省の労働政策審議会安全衛生分科会は第13次労働災害防止計画(18〜22年度)の策定に向けた議論を既に開始。計画案には「国内では28年頃に石綿を使用した建築物の解体がピークを迎えるとされている」と指摘。健康障害の防止対策強化についても盛り込んでいる。

提供:建通新聞社