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2019/12/05

性能規定発注 積算、契約期間見直しへ

 国土交通省は、直轄の道路維持工事で試行している「性能規定発注方式」を見直す。積算方式の見直しや契約の長期化・包括化によって、受注者の創意工夫をより生かせるようにする。仕様書で施工方法や材料を指示せず、サービス水準の確保を求める同方式は、受注者の創意工夫を生かせる反面、創意工夫によるコスト縮減を次回の工事の予定価格に反映させるため、受注者側のモチベーション低下などを招いていた。 
 性能規定発注方式は、道路維持工事の効率化を図るため、民間のノウハウと自主性を生かせる契約方式として、関東地方整備局の大宮国道事務所が発注した「H30・31・32大宮維持工事」で試行している。性能規定の対象項目を巡回と路面舗装管理とし▽ポットホール▽わだち掘れ量▽ひび割れ率▽段差▽横断ひび割れ―の各項目でサービス水準を設けている。
 受注者はサービス水準を確保していれば省力化もできるため、効率的な施工が可能。発注者にとっても、指示・協議などの書類作成や打ち合わせを減らし、労力と時間を軽減できる。
 ただ、国交省は試行の当初に目指していたこれらのメリットが十分に発揮されていないと考えている。前回工事の実績で数量などを積算するため、施工の効率化に向けた受注者の工夫が予定価格を下げることにつながる。業務内容が簡易な補修に限られるため、創意工夫の余地も小さい。
 また、最終的な管理責任が自身にあると考える発注者が管理情報の報告を毎日求め、書類作成や打ち合わせの手間が軽減されないという課題もある。
 同省では、受注者の創意工夫を生かせるよう、積算方法の見直しやさらなる長期契約などを検討する他、サービス水準の見直しも検討。発注者側の管理責任も改めて整理する。試行工事の契約が終わる20年度中に成果をまとめ、21年度以降の次回の契約に反映させる。

提供:建通新聞社