トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2020/07/31

建設投資 3・4%減に下方修正

 建設経済研究所と経済調査会は、2020年度の建設投資(名目値)を前年度比3・4%減の59兆7100億円とする見通しを明らかにした。新型コロナウイルス感染症の影響で営業活動が停滞したことにより、住宅着工戸数が79万3200戸と11年ぶりに80万戸を割り込む。21年度の建設投資も56兆2500億円とさらに減少。国土強靭(きょうじん)化や東日本大震災の復興に関連する公共事業費の縮小により、政府建設投資が17・4%減になるとみている。
 20年度の建設投資は、5月の前回推計でも1・7%減と6年ぶりの前年度割れを予測していたが、さらに1兆0400億円を下方修正し、下げ幅が拡大するとの見通しを示した。
 昨年の消費増税の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言下での営業活動の停滞により、民間住宅投資が10・2%減の15兆円と二桁の減少になると予測した。年度後半はやや回復するとしているものの、着工戸数もリーマンショック後の09年度に迫る79万3200戸まで落ち込む。
 民間非住宅投資も新型コロナウイルスの影響によって宿泊施設や店舗への投資が減少し、4・7%減の16兆1700億円に減少。ただ、すでに契約済みの手持ち工事が約11兆円に上るとみており、事務所、倉庫・流通施設、民間土木などの投資は堅調に推移するとした。
 21年度の建設投資見通しは、今回初めて推計を明らかにした。建設投資全体では5・8%減の56兆2500億円と引き続き減少するものの、民間住宅投資は3・3%増の15兆5000億円と底打ち、民間非住宅投資は0・7%減の16兆0600億円と横ばいで予測している。
 落ち込みの最大の要因は政府建設投資で、20年度の22兆4800億円(2・8%増)から、18兆5700億円(17・4%減)へと減少に転じるとみている。
 東京五輪関連投資の収束に続き、発災から10年が経過する東日本大震災の復興事業の縮小、18年度にスタートした「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」の20年度末での終了が影響する。ただ、今夏の豪雨被害を受けて政府に補正予算編成などの動きがあれば、投資額が追加される可能性はあるとしている。

提供:建通新聞社