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2021/01/05

中高速 中央道施工不良で再発防止策

 
中日本高速道路会社は、八王子支社が発注した橋梁の耐震補強工事で、鉄筋が不足する施工不良が発生したことを受けて、当面の再発防止策をまとめた。当該工事の施工者が同社の工事を初めて受注し、かつ、低入札だったことを踏まえ、施工管理体制の強化や、入札時の措置として新たに土木補修工事に等級区分を設定するなどして全社で再発防止を図る方向だ。防止策の詳細と実施時期は今後詰めることになる。 
 施工管理体制の強化では、週間工程表の提出の義務化、自主検査の極力回避(原則立ち会い検査)、遠隔臨場の活用(複数現場が同時に施工される場合)、組織的な監督・検査体制の構築(補助監督員の追加など)を検討するとしている。 
 入札時の措置では、土木補修工事に新たに等級区分を設定し、発注規模、技術的難易度などに応じた適切な発注を実施する他、地域要件の設定に関する基準を明確化し、統一的な運用を行う。 
 さらに、発注規模・技術的難易度を適切に反映した競争参加資格要件となるよう、企業に求める同種・類似工事の施工実績について、発注工事の内容に応じた設定例を適宜定め、適切な運用を徹底する。
 入札不調時の再発注に当たっては、単に競争参加資格要件を緩和することは行わず、可能な限り発注単位、工程の見直しを行うとした。 
 この他、施工時点での再発防止策としては、▽週間工程表の提出が滞るなど受注者の工程把握が不十分と判断される場合に、工事の一時中止などの措置を実施▽受注者の現場管理、工程把握、提出書類などに著しい不備があるなど明らかな契約違反行為が認められる場合に、契約解除を含む厳格な手続きが取れるような判断基準の明確化―に取り組む。
 契約時点では、▽発注対象工事を適切に履行する当該企業の能力の有無▽複数現場で同時に施工する場合の各現場の配置技術者の氏名、保有資格、経歴、工事従事状況▽各下請け企業との契約書または契約書に準ずる書類の提出による施工体制の確保―を確認する。
 当面の再発防止策は、中央道を跨ぐ橋梁の耐震補強工事施工不良に関する調査委員会の報告(中間とりまとめ)で指摘された、各種課題と当面の再発防止の在り方を踏まえ、同社で効果的な具体策を定めた。調査・検証は引き続き行われるため、新たな事実・検証結果に基づき、今後も実効性のある再発防止策を追加、改善していくとしている。
 
提供:建通新聞社